不眠症の理由。

2006年12月5日
夏頃から彼は調子が悪いと言っていた。
私と出逢ってから、まともに眠れてないといつも言っていた。
私はずっとそれが、彼と私との間に起きたあの事件のせいだと思っていた。
受け入れ難い事実を、無理矢理受け入れた為に眠れないのかと思っていた。
だから「眠れないんだ」と聞く度に心が痛かった。
でも、この前彼が話しの流れでこんな事を言った。
「俺が一番恐いのは、お前を失う事なんだよ。だから、お前の事になると、ものすごく慎重になる。いろいろうるさく言ってしまうのは、絶対にお前を失いたくないからなんだよ。ごめんな。俺はずっと、今の幸せが、細い糸一本で吊るされてるような気がしてた。だって、お前は突然現れて、俺が欲しかったモノを全部持ってたんだから。俺は焦ったんだよ。俺の寿命が残りわずかだから、神様が最後に全部揃えてくれたんじゃないかって。本気で、ものすごく恐かった。それで、ずっと眠れなかったんだよ。眠ってしまったら全部が終わるんじゃないかって。でもそうじゃなかった。ずっと一人でなんとかやってきて、もう限界だったんだな。だから、お前が来てくれたんだ。俺が、これ以上がんばる為には、お前が必要だったんだ。眠れなかった本当の理由はそう言う事。こんなに幸せだった事が、今までの人生になかったからね。本当に俺は、お前が居ないともう生きていけないよ。」

もっと早く教えてくれればいいのに。
眠れるようになって良かった。

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