私の今までをひっくり返された。
出会って、多くの時間を共有するようになって、まだ半年経っていないのに。
だんだん、彼の本心がわかってきた。
私は、やっと本当に、血の繋がらない人間に愛されると言う事が
わかり始めているのかもしれない。

私が離婚して、引っ越す前の約2ヶ月と引っ越してからの約1ヶ月で
私の人生、価値観をひっくり返そうとしている彼は
鬼のように怒りを露わにする顔と、とても優しくほほえむ顔と
子供のように甘える顔と、全く違う顔をいくつも持っている。
この3ヶ月は、毎日違う顔を見せていた。
それさえも、彼流の私を導くための手段だったのかもしれない。

彼は一度、精神のバランスを完全に失った。20代前半の頃。
一緒に住み始めて1年も経たない彼女が、
「私が居たらあなたはダメになる」そう言って出て行って
しばらくして海外のどこかの国で亡くなった。
それからずっと、色を失った世界で生きていたと彼は教えてくれた。

はじめて二人きりでお酒を呑んだ日に聞いたお話。
本当に大切な人だったんだと私が知るのは、もう少し後になる。
小説でも読むかのように言葉だけを追って
「本当だったら可哀想、でも嘘かもしれない」
そんな風に心に入って来る事はなかった。
まだ彼の事を何も知らなかった。知らな過ぎた。

続く。

 

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